コラム:「栄養・食生活」改善のポイント

意識して摂りたい食品

野菜類

「健康日本21(第三次)」では、目標値の一つに「野菜類を 1 日350g 以上食べましょう」と掲げられています。1皿(小鉢程度の量)を約70g とすると、1日5皿以上食べることが目安です。野菜は低脂肪、低エネルギーでありながら「かさ」が多いことから、満腹感が得られます。

反対にかさが多いと食べにくいこともあるかもしれませんが、熱を加えると、かさは小さくなって食べやすくなります。また、野菜に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウム(食塩)を体外に排泄するのを手助けしてくれ、高血圧の予防にもなります。

たんぱく質を含む食品(肉類、魚類、大豆製品、卵、牛乳・乳製品)

たんぱく質の摂取量が少なくなると筋肉量が減少し、加齢とともに筋たんぱく質の合成が遅くなるため、高齢の方はより一層たんぱく質を含む食品をとることが大切です。

バランスのとれた食事を摂りましょう

多様な食品から、からだに必要な栄養素をバランスよくとる秘訣は、毎日の食事で、主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることです。

主食

ごはん、パン、めん類などで、炭水化物を多く含み、エネルギーのもとになります。

主菜

魚や肉、卵、大豆製品などを使ったおかずの中心となる料理で、たんぱく質や脂質を多く含みます。

副菜

野菜などを使った料理で、ビタミンやミネラル、食物繊維などを多く含みます。

1日3食・規則正しく食べることの重要性

食事の時間が長く空くと、次の食事で食べ過ぎてしまうことが多くなります。さらに、欠食後は多くの栄養素を体に取り込もうとするため、太りやすくなります。

右のグラフは、「3食たべる」「朝食抜き」「朝食・昼食抜き」のそれぞれで血糖値がどのように上昇するか示しています。

空腹時の血糖値と食後の血糖値の差が大きくなると血管が傷つきやすく、食事を食べない時間が長いほど、次に摂った食事の後は反動で上がりやすくなる傾向があります。また、夜遅い時間に食べると朝に空腹を感じにく、朝食欠食の原因になるほか、血糖値の増加を引き起こしやすく、結果的に肥満や糖尿病発症リスクを高めると報告されています。

自分の適正体重を知ろう

①身長から自分の適正体重を計算する。

身長(m)×身長(m)×22=適正体重
例)身長160cm の人 1.6×1.6×22=56.3kg

②体重と身長からBMIを計算する。

体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))=BMI
例)身長160cm で体重が60kg の人 60÷(1.6×1.6)=23.4
BMIが22になるときの体重が標準体重で,最も病気になりにくい体重です。

分類BMI
低体重(やせ)18.5未満
普通体重※ 18.5~25未満
肥満25以上
 ※65歳以上はBMI20を超え25未満

家庭血圧を測ろう

高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。
日本人の大部分の高血圧は本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。

高血圧があってもほとんど症状は出ませんので、自分の血圧を知るために、血圧を測定してみましょう。白衣高血圧※1 や仮面高血圧※2 のように、実際の状態と異なることもありますので、毎日家庭血圧を測定して、普段の血圧を知ることが大切です。

①医療機関を受診する目安

家庭血圧で,収縮期血圧(上の血圧)が135mmHg 以上 または
拡張期血圧(下の血圧)が85mmHg 以上

②家庭血圧の正しい測り方

  • 上腕血圧計を選びましょう。
  • 朝と晩に測定します。
  • トイレを済ませ、1~2分椅子に座ってから測定します。
  • 1機会原則2回測定し、その平均を取ります。